美術展『ニュー・フラット・フィールド』
『ニュー・フラット・フィールド』開催に際して
『ニュー・フラット・フィールド』は、ニュータウンを舞台にした、アーティストたちによる企画展です。会場は多摩ニュータウンにある旧三本松小学校の校舎で、会期中に複数の企画展示やトークイベントが予定されています。
なぜこの場所で展覧会が開かれることになったのでしょう?──その理由は、今から約25年前、本展ディレクターのひとりである石井友人がこの学校に生徒として通っていた事実にまで遡ります。「ニュータウン」と一口に言ってみたところで、実際には一概に語ることが難しいニュータウンにおける多様な生に寄り添うために、ニュータウン「について」語るのではなく、ニュータウン「から」語ることを目指し、本展は企画されました。
本展の企図は、ニュータウンについて「語り尽くす」ことではなく、ニュータウンについて当事者の立場から「語り損なう」ことにあります。
なぜなら、ニュータウンには多様な生の様態があり、そこから生まれる表現もまた多様であるため、それらを一度に語り尽くすことは到底できないからです。そのため、本展を通してニュータウンの「語り損ない」が生み出され、それを「語り直す」ために今後も展覧会が必要とされ、全国各地に拡張したニュータウンのように『ニュー・フラット・フィールド』が拡張していくことを目指します。
展覧会ディレクションは石井友人・中島晴矢・原田裕規が担当。参加作家・登壇者には、石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信の15組が名を連ねます。
いま・ここにニュータウン「から」生まれる多様な表現を、そしてその「語り損ない」を、ぜひ目撃しに来てください。
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会期:2017年11月11日(土)〜11月12日(日)
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)
開場時間:11:30 – 19:00
入場料:無料
主催:NEWTOWN制作委員会(CINRA.NET、PONY CANYON、DUM DUM)
展覧会ディレクション:石井友人、中島晴矢、原田裕規
「虹の彼方」企画構成:石井友人
「仮留めの地」企画構成:佐々木友輔
「愛憎の風景」企画構成:中島晴矢・原田裕規
会場構成協力:佐藤研吾、帆苅祥太郎
展覧会グラフィック:仲村健太郎
参加作家・登壇者:石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信
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ディレクターズ・メッセージ
ぼんやりと遠くを見ていた。
目を閉じると光だけが残った。
――小林のりお『LANDSCAPES』(1986年)
光の記憶。
かつて想像された未来空間へ実際に立ち会った時、新しかったはずのこの場所へと向けられる、複雑な感情をどのように表現すれば良いのだろう? 『ニュー・フラット・フィールド』という展覧会は、20世紀に誕生した郊外空間を舞台としながら、そのような問いに端を発しています。理想郷としてのニュータウン/新しい街は、とうに新陳代謝を失い、色褪せ、透明だった窓たちは半透明なものへと変化したように思われます。
そこで、人々によって生きられた空間を、眺めることから始めてみる。
そして、人工都市に漂う浮遊感の中に、微細な、変化の兆候を見出すよう努めてみる。
『ニュー・フラット・フィールド』の「New」は、新しさを謳いながら、必ずしも新しさを意味することなく、まるで、もう一度その新しさを生き直しているかのようです。そこには、多層的な新しさが重なり合います。
何も起きることのない平坦な戦場(※)を、一息に駆け抜けた私たちは、かつて夢見た未来空間を確かに生きています。しかしながら、私たち自身は、その未来に追いつくことは決してなく、別の未来へと向けて歩み始めます。
それは、表層的な既視感の中で、未だかつて誰も見たことのなかった、新しい風景となることでしょう。
※ウィリアム・ギブソン『愛する人(みっつの頭のための声)』(1989年)、岡崎京子『リバーズ・エッジ』(1994年)
石井友人
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展示
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「虹の彼方」
中学生だった頃、ふとしたことがきっかけで、慣れ親しんでいた多摩ニュータウンにあるテーマパーク、サンリオ・ピューロランドの虹のファサードの脇の道から、その裏手を見に行ったことがあります。夢のエンターテイメント空間の裏側に回り込むと、そこには異様にのっぺりしたテーマパークの高い壁面があり、不思議なくらいいつも通りの、ごく普通の生活空間が広がっていました。「虹の彼方」と銘打ったセクションでは、アーティストの誘導する視線の先に、ひょっこり露呈してしまっている/いた消費社会の舞台裏、あるいは、七色の発光物に魅入っている/いた私たち自身の姿が認められるでしょう。一旦立ち止まり、少し退色した虹の向こう側に広がっている光景を、いま一度想像してみましょう。
企画構成:石井友人
参加作家:石井友人、Candy Factory Projects、小林のりお
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「仮留めの地」
無数の郊外論や風景論が世に出回っているにも関わらず、わたしたちはいまだ依って立つ場所を適切に見たり触れたりできていない。そう思い知らされるのは、例えば「ここは何もないところだから」とか「風景は撮り尽くされてしまった」といった言葉を──NGワードに登録していたはずなのに──咄嗟に口に出してしまうときです。慣れ親しんだ街の途方もない捉え難さから出発して、土地の時間的・空間的なスケール、人間のスケール、制作のスケールがかろうじて重なり合う地点を見極め、仮留めすること。本展は、場所の記述方法の模索を続ける作家三名による現状報告です。
企画構成:佐々木友輔
参加作家:今和泉隆行(地理人)、佐々木友輔、門眞妙
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「愛憎の風景」
文責:中島晴矢
たまたまわたしがそこにいただけ ただそれだけ
──相対性理論「たまたまニュータウン」
本展は、現代におけるニュータウンのひとつの風景を可視化する試みである。
私はニュータウンで生まれた。横浜市の都筑ニュータウンから、田園都市線沿線のたまプラーザにて育った。そこには、駅前の充分な商業施設、たくさんのマンションや戸建て住宅、緑豊かな公園、学校、地区センター、病院、交番など、生活に必要なものは全て揃っていた。幼少期、私はそこで楽しく日々を過ごした。記憶に紐づけられた濃密な体験を今でもよく覚えている。しかし、思春期になると何処か物足りなくなった。刺激や猥雑さが足りない。日常に覆われた街に嫌気がさした。都市の非日常性に焦がれ、東京で遊んだ。常にそこには「愛憎」があった。
そんなニュータウンの風景を、いま見つめ直してみる。
そもそも「風景」とは、柄谷行人が『日本近代文学の起源』で書いたように、内的人間により「発見」されたものである。もともと純粋な風景そのものが広がっているのではない。ひとがある内面をもって眼差すことで、風景は立ち現れる。たとえば、近代の端緒に、国木田独歩が「武蔵野」の森を「郊外」として見いだしたように。その意味で、ニュータウンの風景もまた、十人十色の見え方があろう。また、各人の中でさえも、玉虫色の光彩を放っているだろう。
哲学者の篠原雅武は『生きられたニュータウン』において、ティモシー・モートンの議論を引きながら、ニュータウンを空間の「雰囲気」や「質感」をもとに捉え直している。本展は、そのようなニュータウン空間の持つ独特の「空気感」を、多様なアーティストたちの表象する「風景」によって構成する営みである。
ニュータウンとは両義的な場所だ。「都市(中心)」でも「地方(周縁)」でもない「立場なき場所」(若林幹夫『郊外の社会学』)──その曖昧さに佇みながら、肯定でも否定でもなく、引き裂かれたまま存在すること。
この町は自動車に睥睨され、巨大なスーパーマーケットが屹立し、建造物が置かれている。その中に人間の生活があり、循環が新たな生を再生産し、また忘れ去られる命がある。
そして、そこで人々は日々格闘している。滑稽なくらい、切実に。
多摩ニュータウンの廃校で、愛とヘイトに塗れた風景は、現代日本における日常のリアリティを伴って浮き彫りになるだろう。なぜなら私たちは皆、たまたまそこにいたのだから。
企画構成:中島晴矢・原田裕規
参加作家:関優花、かつしかけいた、小林健太、佐藤研吾、中島晴矢、原田裕規、山根秀信
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トークイベント
「ニュータウン発の文化の可能性」
日時:11月11日(土)14:00 – 16:00
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ2階展示室
登壇者:篠原雅武、中島晴矢、原田裕規、石井友人
「風景のメディウム──キャラクターから何が見えるか」
日時:11月12日(日)12:00 – 14:00
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ2階展示室
登壇者:筒井宏樹、門眞妙、佐々木友輔
「ニュー・フラット・フィールドとその作品について」
日時:11月12日(日)16:00 – 18:00
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ2階展示室
登壇者:石井友人、小林のりお、佐々木友輔、中島晴矢、原田裕規 ほか
*イベントは全て入場無料・予約不要
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プロフィール
石井友人(いしい ともひと)
1981年、東京都生まれ。多摩ニュータウン育ち。美術家。2006年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。2012-13年、Cité internationale des arts滞在。
絵画を主な表現手段としながら複合的な形式で作品を発表している。2017年「未来の家」(Maki Fine Arts)でニュータウンや郊外空間をテーマにした個展を開催。主な展覧会に「グレーター台北ビエンナーレ」(NTUA、2016年)、引込線2015(旧所沢市第二学校給食センター、2015年)、「わたしの穴 美術の穴」(Space23℃、2015年)、「新朦朧主義 2」(Red Tory Museum of ContemporaryArt, Guangzhou、2015年)、「大和コレクション Ⅶ」(沖縄県立博物館・美術館、2015年)、「パープルーム大学Ⅱ」(熊本市現代美術館、2014年
https://www.tomohitoishii.com
佐々木友輔(ささき ゆうすけ)
1985年、神戸生まれ。茨城で郊外論に取り組んでいる間に、地元の両親は新興住宅地に引っ越していた。映像作家、企画者。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。現在、鳥取大学地域学部講師。
近年の上映・展示に『第7回恵比寿映像祭』(恵比寿ガーデンホール、2015年)、『記述の技術 Art of Description』(ARTZONE、2016年)、『TRAILer』(イメージフォーラム、2016年)など。2011年よりパブリッシングプロジェクト・トポフィルを共同運営し、『floating view “郊外”からうまれるアート』(編著、2011年)、『土瀝青──場所が揺らす映画』(編著、2014年)、『人間から遠く離れて──ザック・スナイダーと21紀映画の旅』(共著、2017年)を刊行。
中島晴矢(なかじま はるや)
1989年、神奈川県生まれ。都筑ニュータウン、田園都市線沿線にて育つ。現代美術家・ラッパー。
法政大学文学部日本文学科卒業・美学校修了。
美術、音楽からパフォーマンス、批評まで、インディペンデントとして多様な場やヒトと関わりながら領域横断的な活動を展開。重層的なコンテクストをベースに、映像や写真を中心としたミクストメディアで作品を発表している。近年は特に「散歩」を軸に据え、都市と身体を捉え直す試みを実践中。
主な個展に「SURGE」(gallery TURNAROUND /仙台 2017)、「麻布逍遥」(SNOW Contemporary/東京 2017)、「ペネローペの境界」(TAV GALLERY/東京 2015)、「上下・左右・いまここ」(原爆の図 丸木美術館/埼玉 2014)、「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」(ナオ ナカムラ/東京 2014)、主なグループ展に「ground under」(SEZON ART GALLERY/東京 2017)、「INSECT CAGE」 (ANAGRA/東京 2017)、カオス*ラウンジ 市街劇「小名浜竜宮」(萬宝屋/福島 2016)など。
原田裕規(はらだ ゆうき)
1989年、山口県生まれ。広島市東区・成城台育ち。最寄りのショッピングモールはダイヤモンドシティ・ソレイユ。美術家。
絵画、写真、インスタレーション、テクスト、印刷物などを用して、出来事(event)から印刷物(printed-matter)へと至る閉じられた円環を「どうでもよくするため」、美術=展覧会という制度の内外(インサイド/アウトサイド)で活動している。主な著作に『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013年)、共著に『ラムからマトン』(アートダイバー、2015年)、印刷物に『Fwd: print n.1』(2017年)、展覧会に『作者不詳#1』(CAGE GALLERY、2017年)、『エンドロール』(パープルームギャラリー、2015年)、『心霊写真展』(22:00画廊、2012年)、『ラッセン展』(CASHI、2012年)など。
武蔵野美術大学を卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。2017年、文化庁新進芸術家海外研修制度研究員としてニュージャージーに滞在。2018年春にKanzan Galleryで作者の分からない写真をテーマにした個展を開催予定。
今和泉隆行(地理人)(いまいずみ たかゆき ちりじん)
1985年生まれ。空想地図作家。主に東京都日野市で育ち、中学生のときから頻繁に多摩ニュータウンを訪れる。
7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描き、現在も空想都市「中村市」の地図は制作・拡張中。大学生時代に47都道府県300都市を回り、2015年に株式会社地理人研究所を設立。地図制作、記事執筆、企業研修、ワークショップ企画等を本業とする。2015年、東京ミッドタウン・デザインハブ『◯◯◯も◯◯◯も◯◯◯も展』、同年HAGISO「中村市をめぐる 万物収集報告展」に出展、現在都城市立美術館「MESSAGE2017 南九州の現代作家たち」出展中。2013年、白水社『みんなの空想地図』刊行、2017年、晶文社『地図感覚』(仮)刊行予定。
かつしかけいた
1981年生まれ。葛飾区出身、在住。2011年よりweb上で漫画作品を発表。自主制作漫画誌『ユースカ』、『蓬莱PON−RAI』に参加。批評誌『ビンダー』高畑勲特集号カバーイラスト、青土社『生きられたニュータウン』装画を担当するなど、イラストと漫画を中心に活動中。
CANDY FACTORY PROJECTS(キャンディー ファクトリー プロジェクツ)
http://artonline.jp/
古郷卓司が主催するコラボレーションのプラットフォーム。
世界各地の美術館やギャラリーを移動しながら、展覧会、オンラインプロジェクトや出版物などを継続的に展開。また古郷はCANDY FACTORY PROJECTSのもと、ジョン・ミラー、マイク・ボード、チャン・ヨンヘ重工業、チャールズ・リム、宮川敬一と長期間に及びコラボレーション・プロジェクトを積み重ねている。古郷と宮川は、2007年から2016年、アート・インスティテュート北九州主催の「北九州ビエンナーレ」を共同でディレクション、その成果を携えて北九州ビエンナーレ・ワールドツアーを2012年と2015年にシンガポールのプライベートミュージアム、ZKUベルリン、2015年にスウェーデンのランス美術館等で開催、あいちトリエンナーレ2016でもその成果を発表。またCANDY FACTORY PROJECTSの作品はベルリン新美術館、マガザン・グルノーブル ニューミュージアム NY、ニューヨーク近代美術館、メディアシティーソウル、ウォーカーアートセンター、横浜トリエンナーレ、ナムジュン・パイクアートセンター、東京都写真美術館、ストックホルム・ファルグファブリケン、カルマー美術館、ICAマイアミなど、で発表されている
小林健太(こばやし けんた)
1992年、神奈川県生まれ。川崎市育ち。「真を写す」とは何か、という問いとして写真を捉え、様々な試みの中からその輪郭を縁取っていく。
主な個展に『自動車昆虫論/美とはなにか』G/P gallery(東京、2017年)、『#photo』G/P gallery(東京、2016年)。グループ展に『GIVE MEYESTERDAY』フォンダツィオーネ・プラダ・ミラノ(イタリア、2016年)、『新しいルーブ・ゴールド バーグ・マシーン』KAYOKOYUKI・駒込倉庫(東京、2016年)、『New Material』Casemore Kirkeby、サンフランシスコ、2016年)、『Close to the Edge: New Photography from Japan』MIYAKO YOSHINAGA(ニューヨーク、2016年)、『trans-tokyo / trans-photo』集美xアルル国際フォトフェスティバル(廈門、中国、2015年)、『The Devil May Care』(Noorderlicht Photogallery、フローニンゲン、オランダ、2015年)、『The Exposed #7』(G/P gallery Shinonome、東京、2014年)など。主なコレクションに、サンフランシスコアジア美術館(アメリカ)などがある。 2016年、写真集『Everything_1』がNewfaveより発行。
作
小林のりお(こばやし のりお)
1952年、秋田県大館市生まれ。写真家。日本歯科大学歯学部中退。現在、武蔵野美術大学映像学科教授。
1960年末〜1970年にかけて、単身で秋田より上京し、現在の新百合ヶ丘駅付近にある親戚の家で下宿生活をしながら、都内の高校へ通う。目の前には、荒涼たる造成風景が拡がっていた。1980年代「LANDSCAPES」撮影時代は、小田急線の生田駅付近に住み、原付バイクで撮影現場まで通った。1990年「近未来写真術・境界上の自己」(篠山紀信 + 小林のりお) を多摩ニュータウン造成現場で収録・NHK教育テレビで放映。1994年「平成狸合戦ぽんぽこ」(スタジオジブリ) で、写真集「LANDSCAPES」が作画の参考に使用される。写真集『LANDSCAPES』(1987年)にて日本写真協会新人賞受賞、写真集『FIRST LIGHT』(1993年)にて木村伊兵衛写真賞受賞。展覧会は、1975年より国内・海外にて個展・企画展を多数開催。
http://artbow.com/
佐藤研吾(さとう けんご)
1989年、神奈川県生まれ。建築家。
スタジオGAYAを経て、2015年よりインド・グジャラート州バローダデザインアカデミーの助教授。インドの都市部・農村部で実地調査と滞在型デザイン制作を行う国際建築学校In-field Studio主宰。震災後の福島県大玉村で藍作りに取り組む歓藍社所属。近年の主なプロジェクトに、『Ryoseiguyu』(2017年)、『北千住アートスペース BUoY』(2017年)、『インド・シャンティニケタンで同志を募って家を作りに行く』(2017年)。現在、東京大学工学部研究科建築学専攻都市建築史研究室所属。
関優花(せき ゆか)
1997年、ミシガン州生まれ、埼玉育ち。身長171cm。筑波大学芸術専門学群美術専攻特別カリキュラム版画コース在学中。美学校「外道ノスゝメ」修了。
何よりも心身の健康に自信がある。ひたすら真面目に過ごした学生生活が制作の出発点にある。主な展覧会『知恵ヲcray』(ナオナカムラ、東京、2017年)、『ground under』(SEZON ART GALLERY、東京、2017年)
門眞妙(もんま たえ)
1985年生まれ。仙台市八木山地区出身。画家。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
主な展示に『あなたと海のあいま、通り過ぎてゆくすべて』(塩竈市杉村惇美術館市民ギャラリー、2017年)、『かみさまのかたち』(2016年)、『わたしが彼女を見た瞬間、彼女はわたしを見た』(2015年)、『美しい ending』(2013年)、『floating view 2 トポフィリア・アップデート』(2011年)、『ドラマ』(2010年)いずれも新宿眼科画廊、『Mr.のChildren』(HidariZingaro、2010年)、『カオス*ラウンジvol.2』(mograg garage、2010年)など。
山根秀信(やまね ひでのぶ)
1959年、山口市生まれ。山口市育ち。美術家。1985年、東京芸術専門学校卒業。1991年から2年半、田窪恭治氏によるサン・ヴィゴールド・ミュー礼拝堂再生プロジェクト(フランス)に参加。1994年以降、山口市を拠点に制作、発表活動を行う。
主な活動として、1996年、2011年、2017年、山口県美術展覧会にて「大賞」、2012年『里山の限界芸術Vol.1山根秀信(風景)』展(まつだい「農舞台」ギャラリー)新潟県、2009年『遠い風景』展(九州日仏学館ギャラリー)福岡県、2007年山口市中心商店街の路地を再生するワークショップ『ROUTE102-豆腐を食べて、小径を作ろう』、2001年絵本『シュヴァル/夢の宮殿をたてた郵便配達夫』福音館書店の作画などがある。
篠原雅武(しのはら まさたけ)
1975年、神奈川県生まれ。藤沢市の湘南ライフタウン(黒川紀章設計)で育つ。京都大学総合人間学部卒業、同大学人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。大阪大学特任准教授(2017年3月まで)の任期切れを経て、文筆業、京都大学研究員。
アーレントの「人間の条件」をめぐる考察をベースにしつつ、都市、建築といったことについて文章を書いている。最近はティモシー・モートンの著作から示唆を得つつ、人新世、エコロジーについて考察を行い、さらに安部公房や古井由吉の作品の読み直しから、1970年代から現在にいたる生活感覚、空間感覚の変貌をめぐる考察を準備している。単著として『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)、『空間のために』(以文社、2011年)、『全−生活論』(以文社、2012年)、『生きられたニュータウン』(青土社、2015年)、『複数性のエコロジー』(以文社、2016年)。最近の論文として「多木浩二における『空間』」(『人文學報』、2017年)など。人新世時代における思想研究の著書を刊行予定(人文書院より、2018年1月)。
筒井宏樹(つつい ひろき)
1978年生まれ。ライター。編集、展覧会企画。鳥取大学准教授。編著に『コンテンポラリー・アート・セオリー』(2013年)。共著に『ラムからマトン』(2015年)、『キュレーションの現在』(2015年)など。主な展覧会に『であ、しゅとぅるむ』(2013年)など。